地方テレワークに必要な制度・支援一覧|最も多いのは「住む場所を問わずに働けること」36.6%、次いで「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」31.4%

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この記事の要点

  • 地方在住テレワークの制度・支援希望は「住む場所を問わずに働けること」が36.6%で最多、「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」31.4%、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」28.6%が続いた。
  • 女性は9項目すべてで男性を上回った。最も差が大きかったのは「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」で、女性19.7%・男性11.7%の8.0ポイントであった。
  • 年代別にみると、最も多く挙げられた制度・支援は20代のみ異なった。20代は「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」37.4%、30代以上は「住む場所を問わずに働けること」(30代38.0%・40代40.2%・50代36.9%・60代26.8%)であった。
調査名テレリモ総研「地方・郊外テレワークと働き方に関する調査」
調査主体株式会社LASSIC(テレリモ総研)
調査時期2026年7月2日〜7月6日
調査方法インターネット調査
調査対象20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女
調査対象地域日本全国
有効回答数n=1,004
回答数内訳男女別:男性 n=522、女性 n=482/年代別:20代 n=190、30代 n=200、40代 n=249、50代 n=268、60代 n=97(60代はn=97と少ないため参考値)

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%とならない場合がある。※複数回答の設問における各回答の割合は、それぞれの回答者数(全体は n=1,004、男女別・年代別は各区分の回答者数)に占める割合を示すため、割合の合計は100%を超える。※ポイント差は、表示している値どうしの差である。

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%とならない場合がある。

テレリモ総研は、テレワーク・リモートワーク経験のあるワーキングパーソン1,004名を対象に「地方・郊外テレワークと働き方に関する調査」を実施した。地方や郊外でも働きやすくするために望む制度・支援は、「住む場所を問わずに働けること」が36.6%で最も多く、「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」31.4%、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」28.6%が続いた。

地方在住テレワークに望む制度・支援、最多は「住む場所を問わずに働けること」36.6%

地方や郊外でも働きやすくするために、あってほしい制度や支援を全体(n=1,004)に複数回答で尋ねた(図表1)。

図表1:地方在住テレワークの制度・支援希望(全体・n=1,004・複数回答)

最も多かったのは「住む場所を問わずに働けること」で36.6%、次いで「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」31.4%であった。「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」28.6%、「住む地域によって給与を下げられないこと」27.2%、「通信環境を整えるための補助」25.0%が続いた。

このほか「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」15.5%、「近くのコワーキング施設を使うための補助」14.0%、「Uターン・Iターン支援制度の紹介・活用サポート」10.5%、「移住先で地域とつながるための支援」9.4%が挙がった。

制度・支援の9項目は、内容によって3つに分けられる。ひとつめは住む場所そのものの自由度を問うもので、「住む場所を問わずに働けること」36.6%がこれにあたる。

ふたつめは住む場所による評価・報酬の扱いを問うもので、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」28.6%と「住む地域によって給与を下げられないこと」27.2%である。

みっつめは、移動・通信環境・キャリア・移住にかかる具体的な補助や支援で、残る6項目が該当する。「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」31.4%、「通信環境を整えるための補助」25.0%、「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」15.5%、「近くのコワーキング施設を使うための補助」14.0%、「Uターン・Iターン支援制度の紹介・活用サポート」10.5%、「移住先で地域とつながるための支援」9.4%である。

【コラム】居住地を問わずに働ける制度を導入した企業の例

働く場所を問わない制度は、実在の企業でも導入されている。以下は各社の公式情報にもとづく事実の記載である。

NTTグループ「リモートスタンダード」
日本全国どこからでもリモートワークにより働くことを可能とする制度。勤務場所を社員の自宅とし、通勤圏に居住する必要はないとしている。リモートワークと出社のハイブリッドワークを前提とし、出社時の交通費が支給される。
(出所:NTT ニュースリリース「リモートワークを基本とする新たな働き方の導入について」2022年6月24日、https://group.ntt/jp/newsrelease/2022/06/24/220624a.html )

サイボウズ「働き方宣言制度」
社員が自分の働く時間と場所を自ら宣言する制度。地方に居住しながらリモートワークで働くことも選択できるとしている。
(出所:サイボウズ公式オウンドメディア「サイボウズ式」、https://cybozushiki.cybozu.co.jp/feature/workregion.html )

※本コラムに記載した各社の制度は2026年8月時点の情報である。制度は改定される場合があるため、参照時は各社の最新情報を確認されたい。

地方在住テレワークに望む制度・支援は9項目すべてで女性が男性より高く、差が最も大きいのは「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」の8.0ポイント

望まれている制度・支援の水準が、働く人の属性によって違うのかを確かめる。まず、地方在住テレワークに望む制度・支援を、男女別にみる(図表2)。

図表2:男女別・地方在住テレワークの制度・支援希望(女性 n=482/男性 n=522・複数回答)

制度・支援の9項目すべてで、女性が男性を上回った。「住む場所を問わずに働けること」は女性39.2%・男性34.1%、「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」は女性35.3%・男性27.8%、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」は女性30.7%・男性26.6%であった。

差が最も大きいのは「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」で、女性19.7%・男性11.7%の8.0ポイントであった。次いで「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」7.5ポイント、「通信環境を整えるための補助」(女性28.2%・男性22.0%)6.2ポイントが続いた。

20代が最も多く望む制度・支援は「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」37.4%、30代以上は「住む場所を問わずに働けること」で40代40.2%が最も高い

続いて、望まれている制度・支援が年代によって違うのかを確かめる。項目が多いため、前掲・図表1に示した全体の順位にもとづき、上位5項目と6〜9位の4項目に分けて示す。なお、60代は n=97 と少ないため参考値として示す。

地方在住テレワークに望む制度・支援のうち全体で上位5項目を、年代別にみる(図表3)。

図表3:年代別・地方在住テレワークの制度・支援希望(全体で上位5項目/20代 n=190・30代 n=200・40代 n=249・50代 n=268・60代 n=97・複数回答)

最も多く挙げられた制度・支援は、20代のみ異なった。20代は「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」37.4%、30代以上は「住む場所を問わずに働けること」で、30代38.0%・40代40.2%・50代36.9%・60代26.8%であった。

項目ごとにみると、「住む場所を問わずに働けること」は40代40.2%が最も高く、60代26.8%が最も低い。「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」は50代35.4%が最も高く、20代29.5%・30代32.0%・40代30.5%・60代24.7%であった。

「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」は20代37.4%が最も高く、30代29.5%・40代24.9%・50代28.4%・60代19.6%で、最も高い20代と最も低い60代の差は17.8ポイントであった。この差は制度・支援の9項目のなかで最も大きい。「住む地域によって給与を下げられないこと」は30代32.0%・40代31.3%が高く、20代27.4%、50代と60代はいずれも21.6%であった。「通信環境を整えるための補助」は50代30.6%が最も高く、20代24.7%・30代22.0%・40代24.5%・60代17.5%であった。

続いて、地方在住テレワークに望む制度・支援のうち全体で6〜9位の4項目を、年代別にみる(図表4)。

図表4:年代別・地方在住テレワークの制度・支援希望(全体で6〜9位の4項目/20代 n=190・30代 n=200・40代 n=249・50代 n=268・60代 n=97・複数回答)

「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」は40代18.9%が最も高く、20代15.3%・30代13.0%・50代14.9%・60代14.4%であった。残る3項目はいずれも20代が最も高い。「近くのコワーキング施設を使うための補助」は20代19.5%・30代16.5%・40代13.3%・50代11.2%・60代8.2%、「Uターン・Iターン支援制度の紹介・活用サポート」は20代13.7%・30代12.5%・40代10.8%・50代7.8%・60代6.2%、「移住先で地域とつながるための支援」は20代13.7%・30代11.5%・40代9.2%・50代7.1%・60代3.1%であった。

まとめ)地方在住テレワークに望む制度・支援で最も多いのは「住む場所を問わずに働けること」36.6%、女性は9項目すべてで男性を上回り、20代のみ「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」37.4%が最多

求められる制度・支援は、住む場所の自由度、評価・報酬の扱い、移動・通信環境・キャリア・移住への補助や支援と、9項目に分かれた。全体で最も多かったのは「住む場所を問わずに働けること」36.6%で、「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」31.4%、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」28.6%が続いた。

希望の水準は男女・年代によって異なる。女性は9項目すべてで男性を上回り、差が最も大きかったのは「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」で、女性19.7%・男性11.7%の8.0ポイントであった。年代別では、最も多く挙げられた制度・支援が20代のみ異なり、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」37.4%であった。30代以上では「住む場所を問わずに働けること」が最も多く、40代40.2%が最も高い。

編集責任者・所長の視点

竹下 颯飛
編集責任者・所長竹下 颯飛
テレリモ総研 所長 プロフィール →
地方で働き続けるために求められているのは、補助金よりもまず「住む場所を問わずに働けること」36.6%でした。制度以前の前提が整っていない職場が、なお多いことを示しています。 注目したいのは、20代だけが「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」37.4%を最も多く挙げた点です。若い世代ほど、住む場所と処遇は切り離されるべきだと考えていることがわかります。地方採用を進める企業にとって、給与テーブルの設計は避けて通れない論点になりそうです。
監修責任者
牛尾 昭昌
牛尾 昭昌
テレリモ総研 監修者/株式会社LASSIC 執行役員 事業推進本部長 プロフィール →

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よくある質問

地方や郊外でテレワークをするために、どのような制度や支援が求められていますか。
最も多いのは「住む場所を問わずに働けること」36.6%です。地方や郊外でも働きやすくするために望まれている制度・支援について、テレワーク経験のあるワーキングパーソン1,004名に聞いたテレリモ総研の調査(2026年7月実施)の結果です。他には、「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」31.4%、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」28.6%、「住む地域によって給与を下げられないこと」27.2%、「通信環境を整えるための補助」25.0%、「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」15.5%、「近くのコワーキング施設を使うための補助」14.0%、「Uターン・Iターン支援制度の紹介・活用サポート」10.5%、「移住先で地域とつながるための支援」9.4%と続きました。なお「特に希望はない/すでに整った環境にある」は30.1%でした。本調査の回答者はテレワーク/リモートワークを経験したことがある人に限られており、一度もテレワークをしたことがない人は対象外です(テレリモ総研「地方・郊外テレワークと働き方に関する調査」2026年、n=1,004、複数回答)。
地方でリモートワークをするために求められている制度や支援は、男女で違いがありますか。
違いはあります。女性は制度・支援の9項目すべてで男性を上回り、最も差が大きいのは「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」で女性19.7%・男性11.7%です。地方や郊外でのテレワークに望む制度・支援をテレワーク経験のあるワーキングパーソン1,004名に聞いたテレリモ総研の調査(2026年7月実施)では、「住む場所を問わずに働けること」女性39.2%・男性34.1%、「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」女性35.3%・男性27.8%、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」女性30.7%・男性26.6%、「通信環境を整えるための補助」女性28.2%・男性22.0%、「住む地域によって給与を下げられないこと」女性27.6%・男性26.8%、「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」女性19.7%・男性11.7%、「近くのコワーキング施設を使うための補助」女性16.0%・男性12.3%、「Uターン・Iターン支援制度の紹介・活用サポート」女性11.6%・男性9.4%、「移住先で地域とつながるための支援」女性11.4%・男性7.5%でした。「特に希望はない/すでに整った環境にある」は女性26.8%・男性33.1%で、男性のほうが高くなっています(テレリモ総研「地方・郊外テレワークと働き方に関する調査」2026年、女性 n=482・男性 n=522、複数回答)。地方・郊外テレワークのメリットの男女差は「地方・郊外テレワークのメリット・デメリット」で紹介しています。
地方や郊外でテレワークをするために求められている制度や支援は、年代で違いがありますか。
違いはあります。最も多く挙げられた制度・支援は20代のみ異なり、20代は「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」37.4%、30代以上は「住む場所を問わずに働けること」でした。地方や郊外でも働きやすくするために望む制度・支援を、テレワーク経験のあるワーキングパーソン1,004名に聞いたテレリモ総研の調査(2026年7月実施)で年代別にみた結果です。9項目の内訳は、「住む場所を問わずに働けること」20代34.7%・30代38.0%・40代40.2%・50代36.9%・60代26.8%、「打ち合わせ等で移動する際の交通費・宿泊の補助」20代29.5%・30代32.0%・40代30.5%・50代35.4%・60代24.7%、「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」20代37.4%・30代29.5%・40代24.9%・50代28.4%・60代19.6%、「住む地域によって給与を下げられないこと」20代27.4%・30代32.0%・40代31.3%・50代21.6%・60代21.6%、「通信環境を整えるための補助」20代24.7%・30代22.0%・40代24.5%・50代30.6%・60代17.5%、「地方にいてもスキルやキャリアを伸ばせる環境」20代15.3%・30代13.0%・40代18.9%・50代14.9%・60代14.4%、「近くのコワーキング施設を使うための補助」20代19.5%・30代16.5%・40代13.3%・50代11.2%・60代8.2%、「Uターン・Iターン支援制度の紹介・活用サポート」20代13.7%・30代12.5%・40代10.8%・50代7.8%・60代6.2%、「移住先で地域とつながるための支援」20代13.7%・30代11.5%・40代9.2%・50代7.1%・60代3.1%です。年代による差が最も大きいのは「住む場所で評価や報酬に差がつかないこと」で、最も高い20代と最も低い60代の差は17.8ポイントでした(テレリモ総研「地方・郊外テレワークと働き方に関する調査」2026年、20代 n=190・30代 n=200・40代 n=249・50代 n=268・60代 n=97、複数回答。60代はn=97と少ないため参考値)。地方・郊外に住んでテレワークをしている人が挙げた工夫は「テレワーク移住の実態」で紹介しています。